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案内を増やす方法(2) 多くの仲介会社を利用する

空室対策のために必要なことは次の2つがあります。

1.お部屋の案内を増やす
2.案内後の成約率を高める

たくさんのお客さんにお部屋を見てもらうことで申込みが入る可能性を高め、案内後には高確率で申込みになる物件を目指します。

お部屋の案内を増やすには次の5つポイントがあります。

 1.入居者募集の広告を増やす
 2.多くの仲介会社を利用する
 3.不動産会社を動かす
 4.反響をとれる物件にする
 5.募集条件の緩和

今回は「2.多くの仲介会社を利用する」方法をご紹介します。

2.多くの仲介会社を利用する

お客さんにとって大家さんの物件が魅力的に写り、家賃が適正であれば、「1.入居者募集の広告を増やす」だけで案内は増えます。しかしそういった競争力のある物件は非常に稀です。そこで次はお客さんへ、実際にお部屋を勧める仲介会社(客付する不動産会社)に焦点を当てていきます。

これは空室対策の最重要ポイント、肝になります。どんなに良い物件でも1社に問い合わせが来るお客さんの数は高が知れています。10件申込があっても、同じ会社からの申込みは多くて2件です。紹介してもらえる不動産会社は多い程、早く、そして高く貸すことができるのです。

不動産会社への客付依頼の方法

不動産業者に仲介を依頼する方法は一般媒介と専任媒介があります。大家さん自身がたくさんの不動産会社を回り、客付依頼ができるようであれば、一般媒介にして営業活動するのが金銭的には一番効率的です。「そんな時間はとれないよ」という大家さんは信用できそうな一社に絞り、専任媒介で任せることになります。

複数の不動産会社に依頼する場合は、最寄駅と前後3-5駅、そして近くのターミナル駅(主に都心側)にある全ての不動産会社を回り、1件ずつ客付けをお願いしましょう。大きなターミナル駅には100社以上もの不動産会社がありますが、業務内容には幅があり、売買が主のところ、賃貸だけども事業系が多い店、ファミリー客が多い店舗、自社物件しか紹介しない会社などあるので、店舗の状況や担当者に話を聞きいて、大家さんの物件に合う、客付力のありそうな1-2割の会社に重点を絞って定期的に営業しましょう。

一社に絞る場合は、その不動産会社が他の不動産会社にきちんと物件情報を流すかどうかを必ず確認してください。一般の不動産会社は自社で客付けし、入居者と大家さんからの手数料が収入の柱になっています。自社で入居者を決められれば、入居者からの手数料と、大家さんからも募集手数料が入ってきますので、できるかぎり自社単独で客付けしようとするわけです。

大抵の不動産会社はチェックの厳しい大家さんや決まりが悪い物件以外は基本的に情報を流しません。

特にCMなどで有名な大手であるほど物件情報を抱え込む傾向にあります。なぜなら莫大な広告費をかけているので、手数料が同業者と折半になると割りに合わないのです。数年前のスクープ記事ですが、「申込みが入ったので現在案内できません」とウソをついて客付けさせない某大手が話題になりました。「当社は他社に情報を流します」と言いつつ、大家さんを欺く会社は今でも数多くあります。信頼のおける不動産会社探しが、空室対策の近道かもしれません。

不安のある大家さんは、一社に絞った場合でも、他の仲介会社に客付けだけ依頼できるような仕組みを相談してみてください。但し、その場合、申込みが入った場合は必ず絞った一社をとおすようにして、大家さんと仲介会社が直接やりとりしないようにします。こうすることで絞った1社も成約時に手数料がもらえるのでお互いにwinwinになります。大家さんは、その一社に鍵の設置や案内の問い合わせを任せておけば負担が軽減できます。

複数の業者に依頼する場合の注意点

鍵の保管と申込みの重複には十分気をつけましょう。鍵は案内がしやすいよう現地に置くのがベストです。現地に設置できない場合は近くの不動産会社に預けますが、休日や時間外も対応できるよう対策を練りましょう。また、迅速に対応できるよう電話はいつでも出られるようにしなければなりません。

一社に任せると、契約書の書式や入居審査が一定になり、クレーム対応や滞納処理などもその一社に任せられるので効率的で責任逃れをされることが少なくなります。

自分に合った仲介会社を探す

一番良い方法は大家さん自身が仲介会社を回って、たくさんの不動産会社に客付けを依頼することです。不動産会社に支払う手数料は少なくてすみ、費用対効果を考えると早期成約まで一番効率が良いパターンです。デメリットは、業者回りに時間をとられる、複数の仲介会社から電話が入る、募集条件の変更は複数の会社に伝えねばならないなど。管理の面では契約書の書式統一の問題や滞納督促、クレーム対応など自分達で行わなくてはなりません。大家さん自身で行うことが本来健全であり、その分経費削減にもなるのです。

業者回りなんてできない、本業があるなどの大家さんはどこか1社に絞り、専任か一般媒介かにこだわらず、信頼できそうな不動産会社に自分の構想を相談してみましょう。具体的には他社に情報を流してくれることが必須、問い合わせはそこの不動産会社をとおす、反響数や案内時のダメな理由を毎週報告してもらう、案内は現地対応にする、募集資料を細かくチェックして直させてもらうなどの条件をつけましょう。客付けに厳しい大家さんであることを印象付けるのが大切で、その代わりにそこの不動産会社で契約する(手数料を払う)ことにすればフットワーク良く動いてくれる会社は見つかるはずです。

次は案内を増やす方法(3) 不動産会社を動かす

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