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案内を増やす方法(3) 不動産会社を動かす

空室対策のために必要なことは次の2つがあります。

1.お部屋の案内を増やす
2.案内後の成約率を高める

たくさんのお客さんにお部屋を見てもらうことで申込みが入る可能性を高め、案内後には高確率で申込みになる物件を目指します。

お部屋の案内を増やすには次の5つポイントがあります。

 1.入居者募集の広告を増やす
 2.多くの仲介会社を利用する
 3.不動産会社を動かす
 4.反響をとれる物件にする
 5.募集条件の緩和

今回は「3.不動産会社を動かす」方法をご紹介します。

3.不動産会社を動かす

たくさんの不動産会社から紹介してもらえるようになれば、大家さんの物件にも案内が増えるはずです。但し、供給が多いエリアだったり、需要があまりない間取り、相場より家賃が高い場合などは競合物件の中に埋もれてしまいがちです。そこで大家さんの物件を他の物件よりも優先的に紹介してもらえるよう仲介会社に促し、もっともっと案内件数を増やす方法があります。

仲介会社の手法

多くのお客さんはインターネットなどで良さそうな物件を探して、不動産会社に問い合わせをします。「メールで資料を送ってほしい」「写真をもっと見たい」「他に似たような物件ありますか」「お部屋は案内できますか」などのやり取りを得て、不動産会社を訪問します。また、不動産会社を直接訪ねて、「良い物件ありませんか」なんてこともあります。

そこで担当者はお目当ての物件以外にも、条件に合う物件をいくつか見せて複数を案内するのです。なぜなら1件だけ見せて成約させるのは相当確率が低いからです。仲介会社は成約にならないと売上を稼げないので、たくさんの資料の中からお客さんに合いそうな物件を少しずつ紹介するのです。あまり多くを紹介すると迷ってしまったり、何より時間を取られてしまいます。そこで担当者は紹介する物件に優先順位を付けて、お客さんに紹介しているのです。

不動産会社が優先的に紹介する物件

  優先1 自社物件・借上物件
  優先2 手数料が多く入る物件
  優先3 成約になりそうな物件(新築・築浅、利便性の良い物件、
      綺麗な物件、初期費用の安い物件)
  優先4 あて物件(あてぶつ)

仲介会社の営業マンは手数料を稼げる物件から紹介します

不動産会社の営業担当はほとんどが歩合給です。自社物件や借上物件は空くと不動産会社の持出し(ロス家賃)になるので、自社・借上物件の成約者には会社から報奨金が出ます。その不動産会社がお客さんに紹介する優先順位は、大家さんがいくら昔からの大顧客であったとしても一番にはなれないのです。自社物件や借上物件を多く抱えている不動産会社から見れば、大家さんの物件は普通の1物件にすぎないのです。

また、担当者の売上はお客さんからの仲介手数料と大家さんからの広告料(募集手数料)から成り立っています。会社は営業社員にノルマを課し、大家さんからの広告料が多い物件を優先的にお客さんへ紹介する仕組みになっているのです。

仲介会社の売上例

例えば大家さんからの広告料が0.5ヶ月分しかない場合、専任の元付会社は大家さんからの0.5ヶ月分とお客さんからの仲介手数料0.25ヶ月分をもらい、仲介会社は残りの0.75ヶ月分しか売上になりません。

大家さんが広告料1ヶ月分を支払い、一般媒介で複数の仲介会社へ依頼している場合、元付会社はいませんので、仲介会社の売上はお客さんからの仲介手数料含めて2ヶ月分になります。

大家さんが広告料2ヶ月分を支払う物件は、専任の元付会社が1ヶ月分、仲介会社がお客さんからの仲介手数料含めて2ヶ月分になります。一般媒介での契約と同じですが、大家さんの持ち出しは1ヶ月分多くなります。その1ヶ月分で元付会社に募集活動を依頼している形になるのです。

大家さんの広告料が1ヶ月分の物件で、仲介手数料を0.5ヶ月分にしている仲介会社の場合は、元付会社に大家さんから1ヶ月分、仲介会社にお客さんから0.5ヶ月分になります。仲介手数料0.5ヶ月分と謳っている仲介会社は、大家さんからの広告料が元付会社以外の分が少しでもないと売上になりません。このパターンの物件は、この仲介会社ではほとんど紹介されることがありません。

仲介会社は売上が減ってでも成約を目指す

仲介会社は自社物件や広告料が多い物件を優先的に紹介しますが、お客さんの反応があまり良くない場合や案内しても申込みが入らなかった場合は、しかたなく成約になりそうな物件を紹介します。具体的には新築・築浅物件、利便性の良い物件、綺麗な物件、初期費用の安い物件など。担当者が実際に過去成約し営業トークに自身がある物件や、担当が決まりやすそうだと考える物件になります。

人気のある物件や営業マンが決まりやすそうだと考えた物件は無事ここでお客さんに紹介されます。広告料を支払わなくて成約となる道が出来上がっているのです。今まで多数の不動産会社に紹介されていなかった物件は、広告料を多く支払うか、募集図面などを作りなおして、お客さんだけではなく担当者の目を引くような物件にしていくことが重要になります。

最後はあて物件(あてぶつ)です。仲介会社は成約させるために、あまりお勧めでない物件も合わせて紹介します。具体的には広さの割りに家賃が高い物件、共用部が汚い物件、内装を全く行っていない物件などです。このランクに入ってしまうと、担当者のイメージを拭い取るのに苦労します。営業トークのはずが粗を探すトークになってしまい、ぞんざいな案内をされてしまいます。一つ利点を挙げるとすれば担当者に物件を覚えてもらっているので、案内件数が多いことです。きちんと清掃を行い、デメリットを改善またはデメリットを超えるメリットをアピールすることで、改善への道は十分にあります。

別の物件を見たくて店頭に来たお客さんに、大家さんの物件を合わせて紹介してもらうようにする。ただ単にウチの物件を優先的に紹介してくださいと言っても誰も紹介してくれません。仲介会社にぜひ紹介したいと思ってもらわなければなりません。お客さんに紹介しやすい、成約しやすい、そして手数料も稼げる物件にならなければなりません。

大家さんが目指すポジション

仲介会社は契約が決まれば売上になるので、正直なところどの物件でもいいからなんとかウチで契約を決めてもらいたいというのが本音です。そこで大家さんは仲介会社に、他の物件と一緒に紹介してもらえるよう、それも高い優先順位を目指しましょう。

目当ての物件は人気物件のことが多く、そういう物件はたくさんの不動産会社に営業しなくてもすぐに決まります。大家さんがすべきことは、仲介会社にとって魅力的な物件に仕上ることです。

まずは営業トークがしやすいように募集資料にアピールポイントを列記します。リフォームした箇所は大々的に伝え、写真も良く見せるように作ります。

そして物件の共用部などは常に綺麗にしておきます。汚い物件を好むお客さんがいないことは営業マンもわかっているので、綺麗にしておくことで、案内しやすい物件になるのです。

初期費用が少なくなるようにすることも頭に入れておいてください。それで補えない部分は広告料として仲介会社に支出するのです。

不動者会社に支払う手数料

エリアにもよりますが、元付会社に契約時の手数料として1ヶ月分支払うだけではなく、仲介会社にも広告料として1ヶ月分を支払う条件にすることをお勧めします。

そうしないと仲介業者が案内する優先順位が下がってしまい、案内が少なくなってしまうからです。なぜなら1ヶ月分以上稼げる物件が他にいくらでもあるからです。

中には2ヶ月、3ヶ月分の広告料を出す物件もありますが、そういう物件は元の家賃が高く、投資用などで安易に家賃を下げることができないなど理由があるからです。

さらに広告料の高い物件は毎月の家賃も高いため、入居しても長期間は住まずに退出してしまうことが多いのです。結果利益率があまり良くならないことが経験的にわかっています。

なかなか申込みが入らないようであれば、1ヶ月分ずつの広告料を支払うのがベストな方法です。

一般媒介の場合は手数料1ヶ月分でも優先的に紹介され、2ヶ月分ならかなり優先的に案内が入りますので早期成約も期待できます。但し、営業活動は大家さんが毎週のように行い、案内鍵の設置や滞納督促やクレーム対応も大家さんが行うことになるわけです。仲介会社は決めたら終わり、基本的にあっせん業務しか行わないからです。

次は案内を増やす方法(4) 条件の緩和と理想の状態

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