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案内を増やす方法(4) 条件の緩和と理想の状態

空室対策のために必要なことは次の2つがあります。

1.お部屋の案内を増やす
2.案内後の成約率を高める

たくさんのお客さんにお部屋を見てもらうことで申込みが入る可能性を高め、案内後には高確率で申込みになる物件を目指します。

お部屋の案内を増やすには次の5つポイントがあります。

 1.入居者募集の広告を増やす
 2.多くの仲介会社を利用する
 3.不動産会社を動かす
 4.反響をとれる物件にする
 5.募集条件の緩和

今回は「4.反響のとれる物件にする」と「5.募集条件の緩和」方法をご紹介します。

反響をとれる物件にする

前回お話ししたとおり、物件をアピールするのは一般のお客さんだけでなく、仲介会社の営業マンにもアピールする必要があります。営業マンが一度決まりやすそうな物件だと思えば、その後たくさんのお客さんを案内しにきてくれるのです。

それではそのような反響をとれる物件にするには何が必要なのでしょうか。

まず物件を綺麗な状態にしておく必要があります。綺麗で清潔感のある物件はお客さんの印象が良いため仲介会社も案内しやすくなるのです。今回は成約に至らなかったとしても、同じ営業マンが違うお客さんをたびたび連れてくるようになるのです。

具体的にはエントランス回り、共用廊下、部屋の中を綺麗にします。特にエントランス回りが肝になり、第一印象が悪いと部屋の中が多少良くてもなかなか成約に至らなくなります。

エントランス回りを綺麗にする

ポイントはメールBOXと自転車置場、そして掲示板です。

メールBOXは宛名を同一書体で統一して見栄えを良くします。チラシがはみ出ていたり、口をガムテープで塞ぐのはNGです。空室のメールBOXは1-2週間毎にチラシを回収するようにしましょう。

自転車置場は日頃から乱雑にならないよう注意します。パンクやチェーンが外れてそのまま放置されていることのないようにします。放置自転車は近くの交番に盗難車かどうか確認できます。

ほとんどのお客さんは掲示板を見ます。掲示板の内容でそこの物件の管理の厳しさ、ごみや騒音の問題、煙草のポイ捨て状況などがわかることがあります。

どのような入居者をターゲットにするかで意味合いは異なりますが、長く住んでもらうことを考えると厳しい物件と思わせ、それなら安心だと考える人向けの掲示物にすることが好ましいことは言うまでもありません。掲示物はできればパウチッコ(ラミネート)で作り、曲がって貼ることのないよう注意しましょう。

案内しやすい物件にする

仲介会社はお客さんの都合に合わせて案内をします。また、当初の案内物件では決まりが悪く、もう1件をすぐに案内したいことがあります。いつでも案内ができるように鍵は現地に設置するようにしましょう。

鍵の手配が不動産会社の場合には、休業日でも電話連絡や案内ができるような体制をつくってもらうことが重要です。大家さんの場合もいつでも連絡がつくようにしましょう。

需要のある部屋にする

いろいろやったけどなかなか反響が少ない場合はペット可にすることをおすすめします。それも小型犬だけでなく猫も認めるのが効果的です。

最近は犬より猫を飼う人の方が多くなっています。ペットを飼育する場合はペット用の使用細則と原状回復の特約を入れておけばリスクはほとんどなくなります。

線路や高速道路に近くの物件で、音が原因で部屋が決まりづらい場合には思い切って楽器可にする案もあります。

その他バイク置場を造る、宅配BOXを設置するなど差別化を図ることが大切です。特にペット可は案内数が増える契機になることが良くあります。

募集条件の緩和

なかなか案内が増えない場合は賃料などの金銭条件の見直しをしてみましょう。

まず手をつけるのは初期費用の部分で、家賃は最後に調整します。敷金・礼金は徐々に0円の時代が到来しており、地方はその傾向がより顕著です。特にシングル向け物件の場合は初期費用が少なければそれだけで集客力がアップします。

敷金は初めに清掃代をもらっておくなどでも対応できます。また、敷金をなくす代わりに家賃の滞納のリスクは保証会社を利用することで回避できます。

次に入居者条件の緩和ですが、まず第一に行ってもらいたいことは外国籍を入居可能にすることです。管理会社がしっかりしていれば正直リスクは少ないものです。

経験的には滞納するのは日本人の場合が多く、外国人の場合は家賃が支払えなくなると夜逃げするので早めに出て行ってもらえます。なぜなら外国人は滞納などのトラブルを起こすと次に住むところを見つけるのに苦労するからなのです。

日本の人口は2006年以降減少していますが外国人登録者数は毎年5万人ずつ増えていて、今後も増加傾向にあります。日本の生産人口確保のために外国人を受けざるを得ない状況にあるのです。

国の教育再生会議では2025年までに留学生を100万人に増やす計画があります。そして外国人は横のつながりが強くネットワークがあるため、一度入居させるとそのネットワークに広がり、他の入居者を紹介してもらえることが多いのです。

その他にはワンルーム・1Kでも2人入居可にしてみてはどうでしょうか。デメリットは回りに対する騒音だけですので、管理会社に注意しておけばそれほど臆することはありません。

理想の状態

好循環になると定期的に物件の問い合わせがおきます。空きが出たらすぐに紹介したい、そういうお客さんがいる状態がおきます。空き予定で問い合わせがあるぐらいが本来理想的で、人気のある物件は満室中でも1年通して空き予定が出ていないかの問い合わせが入るのです。

また、入居者を決めてくれるのは何も不動産会社だけではありません。実はそこで暮らしている入居者もまた友人を紹介してくれることもあるのです。物件のことを良く知る人達ですから、その入居希望者は短期間で退去することは少なく、紹介での入居のため素行の悪い入居者ではありません。

そこで、入居者に対して、入居希望者を紹介してくれたらクォカードなどの商品券をプレゼントするという方法をおすすめします。それにより、より強い口コミ効果が期待できるというわけです。忘れたころに効果が出ることもありますので、一度はやっておくことをおすすめします。

そして解約する人に新しい入居者を見つけもらうのことも期待できます。解約したいと連絡があった場合に、「新しい入居者を見つけてくれば敷金全額返金します」や「謝礼を支払います」などと伝えておけば、後輩の学生を連れてくることもあります。

次は案内後の成約率を高める

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